濃厚な旨味と硬さが特徴のハードタイプのチーズ

ハードタイプのチーズは、チーズそのものの水分が非常に少ないタイプで、水分量は38%以下と定められています。セミハードタイプのチーズよりもさらに固く、水分も少なくなっています。
かなり以前の話ですが、小泉元首相が森元首相にミモレットと呼ばれるフランス産のハードタイプのチーズを送った事がありました。

このミモレット、高級チーズなのですが森元首相が「なぜ小泉さんがこんな干からびたチーズをくれたのだろう?」と失礼な発言をした事から一気に注目され、店頭からミモレットが消えた事がありました。
「干からびたチーズなんかじゃない!高級品だ」と小泉元首相が怒った事で、皆さんが「ミモレットとは一体どんなチーズなのだろうか?」と興味を持ったのです。

ミモレットに代表されるハードタイプのチーズは、6~10か月程度の期間をかけてじっくりと熟成させます。
その間にチーズから水分が抜け「干からびた」感じのチーズになっていくのです。けれど水分が抜ける事で旨味やコクが凝縮され濃厚な味わいになります。
前述の小泉元首相も、この濃厚な味わいに魅了された一人なのかもしれません。

水分が少ないため保存性も良く、家庭でも気軽に楽しめるとあって人気があります。
硬質なチーズなのでそのまま食べるだけではなく料理に使われる事も多いです。

赤ワイン・白ワインに相性が良い

ハードタイプのチーズは赤ワイン、そして白ワインと相性が良いとされています。
ハードタイプのチーズはコクがあり味わいはかなり濃厚なので、同じようにコクのある白ワインや赤ワインが風味の点から言えば合います。ただ風味を合わせるだけではなく正反対の特徴を持ったワインを選ぶのであれば、フルーティーな赤ワインもおすすめです。

濃厚なワインとハードタイプのチーズは組み合わせとしては確かに合うのですが、お互いが濃厚過ぎて重くなってしまうのも気になります。
正反対の性質をもつフルーティーなワインを合わせると、ハードタイプのチーズがあっさり・さっぱりした風味になるため、この組み合わせも人気です。

おすすめのハードタイプのチーズ

おすすめのハードタイプチーズをご紹介します。

●パルミジャーノ・レッジャーノ
●ミモレット・エクストラ・ヴィエイユ
●マンチェゴ
●ラクレット
●チェダー
●エダムチーズ

日本人にお馴染みのチーズと言えばチェダーチーズやパルミジャーノ・レッジャーノ、そして小泉元首相の一件で注目されたミモレットでしょう。
パルミジャーノ・レッジャーノは料理番組で料理の素材としても良く使われています。

この中で最も手に入れやすいのはチェダーチーズでしょう。
16世紀頃から作られているイギリスを代表するハードタイプチーズで、今ではアメリカやニュージーランドでも作られています。生産量は世界屈指で購入しやすいチーズです。
濃厚な味わいですが熱を加えると溶けやすいため、そのまま食べるだけではなくチーズを溶かしてパンに乗せておつまみとして食べるのもおすすめです。(まるで気分はアルプスの少女ハイジです。)

パルミジャーノ・レッジャーノはイタリア製のチーズでイタリア料理には欠かせません。大理石並みに硬いチーズなので、金づちで叩いて砕きます。
そのまま食べるよりも砕いたチーズをピザやパスタなどの料理に使う方も多いです。